不動産売買取引(決済時)における役割

 高価なものを買うとき、安心して買いたいですね。誰しもそう考えると思います。例えば、後払いは、買い手にとっては安心ですが、売り手にとってはちゃんとお金がもらえるか心配です。逆に先払いは、ちゃんと商品が手に入るか買い手が心配をかかえます。こういうときに解決法は2つあります。1つは保険をかける。もう一つは同時履行です。

 前者は、たとえお金がもらえなくっても、商品が手に入らなかっても、保険をかけておけば少なくともお金は補填される訳です。しかし、日本では不動産取引にかける保険はありません。そうなると安全策は後者しかないということになります。これは、お金の授受と商品の授受を同時に行うことです。

 不動産の場合、商品の授受(主要な部分)は、登記です。この登記(申請)とお金の授受を同時に行うということです。それには、登記所(法務局の登記の部署)で取引(代金決済)をすることです。法務局の窓口で、正に今の登記の情報を取り出し、名義が変えられていないか、差押が入っていないか、その他完全な所有権の取得の障害になる登記は入っていないかを確認して、今回の登記を出す。と同時にお金を渡す・受け取る。これで安心です。

 しかし、法務局で不動産取引をすることは少し無理があり、実際は銀行などで行っています。同時履行でないリスクがあるわけですね。このリスクをどのようにして小さくするかが司法書士の役割であり職人芸であります。司法書士の報酬がちょっと高く感じることがあるとすれば、こういうところに理由があります。

 他にも不動産の売買に潜むリスクは様々あります。その一旦を分かりやすく説明している短い動画が滋賀県司法書士会のホームページからご覧頂けます。ご参照下さい。


滋賀県司法書士会ホームページ
第1話 不動産売買に潜む落とし穴
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因みに、他にこういうのもあります。
第2話 相続と登記
第3話 遺産承継はやっぱり大変
第4話 ADR
第5話 成年後見制度