【弁護士 ・ 司法書士 ・ 行政書士】

この三者は、不幸にして難しい関係を生きてきました。いまだに火種は燻っています。しかし、私にとっては少し違います。職域に関しては、「自分だけで全部できます」という執務姿勢から「問題」が生まれますが、「みんなで支えましょう」という執務姿勢の中で問題は「消滅」します。
 従って、私は今まであまり問題を感じたことはありません。とは言っても大まかな違いは意識して仕事しています。私は、それぞれの職能の生い立ち(長くなるのでここでの説明は省略しますが)から、次のように整理しています。

 元はといえば、司法書士は、司法分野で弁護士と二頭立てで併設された制度。本人の為に、裁判所や検察庁に提出する書面を作成する役割を期待されて生み出されました。しかし、司法書士自身が法廷に立つことは予定されておらず、事態が紛糾し訴訟などで法的解決を必要とするところは弁護士制度に委ねられました。その後長い変遷を経て、途中から職域に入った登記業務が司法書士の主要な業務であるかのような外観になり、輪郭が少しぼやけたようになりましたが、私は、国民が司法分野における法的サービスを受けやすくする役割の中で、前段が司法書士で、前段を含む後段が弁護士という理解でいます。ちょうど市民が町医者を日常の主治医として、精密な検査や困難な手術を受ける必要が生まれたときは、主治医から信頼できる専門医や総合病院に繋いでもらうというイメージです。

 また、行政書士は、司法書士と名称が似ていますが、名称のとおり三権分立の司法の領域ではく、行政の領域における専門職能です。すなわち国(法務省における登記行政を除く)や県・市町村・警察等の行政機関に提出する書面の作成職能を根本として国民の法務アクセスを扶けてきた専門職であると考えています。
 これが私の整理の仕方です。(あくまで私的整理ですので、あしからずご参考まで)